第98回「選択肢は一つだけ」(板紙段ボール新聞R4年9月7日付)掲載より

段ボールのイノベーションが加速しています。あの液体石鹸を段ボールパッケージに入れることなど、どう見ても不可能?…でも出来たのです。

専門家ではないので粉末と液体石鹸に区別、比較についての言及は省きますが、前者は紙箱、後者はプラスチックボトルと容器が異なります。さらに、近頃は液剤を1回の洗濯量分にカプセルにしたジェルボールタイプもプラ容器に入ってお店に並んでいます。

こうした中、欧州段ボール多国籍大手のスマーフィットカパ社はPB(プライベートブランド)メーカーのフランス・マクブライド社と共同でジェルボールタイプ用に初の段ボールパッケージ『Click―to―Lockポッドボックス』を開発しました。100%段ボールで水性美粧フレキソ印刷。これにより製造時のCO2排出量を32%削減、生分解性で100%リサイクル可能です。また、内側に塗布されたワニスにより、湿気が内容物に触れないようバリア機能も備えます。

「環境への影響を軽減しながら、各使用状況に最適なパッケージソリューションを定義する」というスマーフィットカパ社の循環型ビジネスモデルに基づく昨年度の新商品です。従来のプラスチックよりも積載率が25%向上し、パレットの輸送力がアップ。サプライチェーン面での効率も上がりました。

そして、このパッケージに施された国際石鹸、洗剤、メンテナンス製品協会に準拠したチャイルドロックシステムで不正開封防止機能も付加されました。

「この市場初の革新的なパッケージ。子供に安全で費用対効果が高く、持続可能なパッケージオプションをぜひ世界のお客様に」とスマーフィットカパヨーロッパ社のサベリオ・マイヤー氏も力説します。

洗剤も多様化しますが、入れ物は「紙」…選択肢は一つということがお分かり頂ければ本コラムも〝キレイさっぱり〟完了です。