第115回 『人口減社会の中での箱作り 3』(板紙段ボール新聞R6年2月7日付)  掲載より

日本で最も高速生産している平盤打抜機は毎時1万1千枚と聞きます。もちろんマシンの速度を一層引き上げることで生産性は上がりますが、機械性能上より速くできない場合、止まっている時間を短くすることで出来高は向上します。

前々回は、機上でセッティングするストリッピングピンの外段取り化による、大幅な準備時間の縮減を取り上げました。今回は、ムラトリ作業時間の大幅なカットです。

この作業を丁寧に施さなければ打抜き加工は始められませんが、抜型に配されたバランス刃に専用のゴム「シトーバランスプロファイル」=写真=を取り付けることで、打ち抜き時に抜型の水平性を保つことができます。これは「シトーバランスプロファイル」を貼った抜型(左側の直線部分)です。

そのメカニズムについては左下のQRコードから動画をご覧頂けます。

この高機能製品は昨年の夏、日本に初登場しましたが、既に多数の現場から「ムラトリ時間が50~70%削減された」という報告が届いています。

人口減少の日本にあっては紙器段ボール業界も他産業同様、今より少ない人数で生産を行わなければなりません。機械に置換ができるところは自動化へ、このような人手が必要な作業は短時間化で問題克服していくしかありません。このシリーズは不定期ですが今後も取り上げて参りますので、是非ご高覧をお願い致します。