第100回『インドを見つめる①』(板紙段ボール新聞R4年11月7日付)  掲載より

東京大学近くの保健所でコロナワクチン接種を受けましたが、会場案内はインドからの留学生さんばかりでした。
本来なら私語は慎むべきでしたが、帰りがけに「インドは1日の感染者が40万人とかいて大変ですね」と声掛けしたら 「感染は急速に鎮静化した。 
ワクチン接種完了率は、今年は7割近くで世界平均以上ですよ」と聞き自分の認識不足を恥じて、気になるインドパワーを深堀したくなりました。

銀行から入手したレポ―トでは、世界の実質GDP成長率予想でインドは7.7%と主要先進国・新興国の中で1位。
2位の中国は5.9%と大差をつけています。このペースでは2020年代に日本を抜き世界第三位の経済大国になります。

今は経済成長期の初期段階と考えますが、これから中間所得層の増加、経済成長の加速、さらなる人口増加に伴って、紙器、段ボールの生産量の増加が期待されます。

そこでまずは同国の事実を毎年開催される段ボール見本市 India Corr Expoのレポートから抜粋整理したいと思います。
現在の板紙の消費量は世界 15 位で約600万トン。1 人当たりのパッケージ消費量は、世界平均で 100 米ドル近くあるのに対し、15 米ドル未満と規模感では小さいです。

しかし、すでにインド全土で 約 600 ~ 700 の包装機械メーカーがあり、その 95% は中小企業。そして、昨今はドイツとイタリアの包装機械メーカーが存在感を示し、中国、台湾、韓国メーカーにも注目が。

インドの包装機械の輸入額は 1 億 2,500 万ドル。いささか海外勢の出足を早く感じますが、包装産業は、毎年 14 ~ 15% のペースで成長。この率は今後倍化される予測。その中で、最も高い分野は軟包装で年率 35% 以上のペースで増加。

毎年6~7%で増加する紙器、段ボールもこのあと加速するとのことで、そこに読者の皆さまと一緒に新たな成長戦略を見出したいものと夢見ているのでございます。