第94回「段ボール愛」(板紙段ボール新聞R4年5月7日付)掲載より

これまで脱プラスチックの必要性、板紙・段ボールが優れた代替素材になる事例を書きましたが、先月から新法も施行され我々業界人は一層プラスチックを取り巻く環境問題に、積極的に解決策を提案していくことが肝心だと考えます。

しかし、今回は対「金属」へのチャレンジ。金属は紙同様に資源循環の優等生ですのでその点では問題は少ないですが、欠点はとにかく重いことです。

筆者は歩行困難な母の面倒を看ていますが、あの車椅子…とにかく重い。持ち上げたり、押したり。駅前駐輪場で自転車整理員をされているお年寄りも気の毒に思います。

そのような中この春、東京・有明で第一回サスティナブルグッズEXPOが開催され、イスラエル生まれの段ボール製車椅子と子供用バランスバイク=写真=が初お目見えしました。

考案したのはイスラエル人発明のイズハ・カフニ氏で、13歳にして農業機械の改良を手始めに300もの特許を持つとのこと。段ボールを使った発明はサーフボードからで、最初から強度と耐水性にチャレンジしたことがわかります。

バランスバイクは、国際安全規格の認証を受け速度も時速20㌔まで出せ、体重80㌔の大人でもOK。車椅子は、150㌔の体重まで耐えるそうです。段ボールであるため様々な色彩やデザインが楽しめそうです。

今年の母の日には間に合いませんが、来年にはカーネーション柄の車椅子を贈ることが私の夢です。これも私の段ボール愛です。