第9回 赤外線でインキを乾かす (板紙段ボール新聞H27年4月7日付)掲載より

各社の生産高を上げる弛まぬ取組みで、フレキソフォルダーグルアーの印刷速度も毎分300枚を超える時代になりました。しかしながら、印刷したてのシートが重なって汚れてしまう、速乾性インキのためアニロックスロールの乾いたインキの目詰まりに困っているとのお声を聞きます。 昨今、アメリカンチェリーやカルフォルニアグレープなど華やかな段ボール箱が日本市場にも登場していますが、これらの複雑なフレキソダイレクト印刷をする北米の現場を見に行きました。

訪れたのは独立系のボックスメーカー、4色機と6色機が配備されバラエティに富んだケースやトレイが作られていました。美粧印刷では日本のFFGほどの速度には及ばないものの、まずまずのスピードで鮮やかに刷り上がっていきます。網点の重ね印刷でも汚れは無く、機械の中を見せてもらうと赤外線ランプ(JBマシナリー社製)が固定式印刷ユニットの間に設置されていました。これで瞬時に水性フレキソインキの水分を飛ばし、次の色が載せられます。温風ドライヤーが普及していますが、JB赤外線ドライヤーのカセット方式であれば印刷される部分だけ照射するので電力消費に無駄がなく、運転速度を落とさないでしっかり乾燥させるそうです。FFGにおける同一条件化での温風ドライヤーとの比較では、電力設定100%(47kW)時に温風ドライヤーよりも40%少ない消費電力で、生産性は30%多かったとの結果が出ています。さらに、ある事例ではアニロックスロール掃除のための機械停止時間が大幅に減少し、生産性が250%アップしたとの報告があったそうです。また、速乾促進剤を入れたインキに比べて発色が良いので、ベタ印刷でもより鮮やかな仕上がりが印象的でした。