第75回「海藻は食べ物?包装?」(板紙段ボール新聞R2年10月7日付)掲載より

EUではいよいよ来年からプラスチック製皿、ストロー、フォーク類の使用を禁止するなど代替プラスチックの開発が加速します。段ボールから少々離れますが、究極ライバル出現か?今回は「海藻」による”食べられるパッケージ”です。

  

まだ日本食が海外で知られていなかった昭和の頃、英語の友人におにぎりを差し出したら、海苔を剝がしてから口に入れていました。訊くとカーボン製包装紙と思ったそうで、ご飯と一緒に食べると説明すると、当時は大変大いに驚かれたものでした。

しかし、時は流れて今度は私が驚く番、あるニュースが飛び込んできました。それは、世界の海に大量に存在する海藻をベースとした食べられるパッケージが出来たことです。

ロンドンのベンチャー企業でズバリ社名はプラじゃない、Notpla社。2014年に10mlから100mlの液体容器『ウーホ(Ooho)』を発売、ランニング競技の選手の水分補給手段として実証実験し、そのまま口に入れても捨てても、ごみにならない一挙両得の新商品になりました。この技術であればコンビニ弁当の醤油、辛子、マヨネーズのフィルム包装が置き換えれますね。

今年2月には、板紙用『Notplaコーティング』を開発。今までの耐油目的で行ってきたフィルムコーティングの置き換えを狙ったものも登場しました。これまでリサイクリングの点でネックとなっていた紙器、段ボールケースのフィルムコーティングがこれにより問題解決できます。自然由来の板紙・段ボールに極めて相性が良い、歓迎すべき高付加価値新素材です。

海藻は、世界中の海に存在し枯渇する心配がないため、明らかに持続可能な社会に最適な素材ですね。