第50回「コンピートよりクリエイト」(板紙段ボール新聞H30年9月7日付)掲載より

スウェーデンの未来学者でトレンドスポッターのマグナス・リンドキビスト氏の講演を聴きましたが、段ボールにも“クリエイト”が必要だと痛感しました。実際、すでにデジタルによる技術革新は始まっています。

講演では「これからの企業に求められるのは競争(コンピート)より“創造(クリエイト)する力”だ」と強調していました。そういえば、昨今のIT業界の若い社長たちは、次々に今までなかったビジネスを生み出しています。カーシェアリング、アパレルのネット販売、ネット上のフリーマーケットやパートナー探しなど。つまりインターネットの“何でも可能にする技術”が彼らの斬新なアイデアを実現させているのです。我々、段ボール業界もなんとかテジタルテクノロジーにあやかり急成長を図れないものかと考えています。このような中、先頃東京ビッグサイトで開催されたIGASでは段ボール、ベニヤ、アルミ板、プラスチック、さらに巻物の壁紙、ラッピングバスのシールと一台であらゆる素材に対応、最大厚み50ミリまで印刷できるインク ジェット機が発表されました。モデル名はHP社「HP Latex R2000 Plus」。待望のUVに代わる水性インキで、白インキも搭載、茶ライナに直接印刷しても発色良く、今までになかったような鮮明画像です。まさに、何でもプリントできる“カラーコピーのジャンボ機”でしょう。段ボールシートの多色印刷機として使うのか、それとも段ボールとは思えない新しい何か?を作るのか、はたまた、段ボール事業以外の新たなビジネスを始めるのか、これを使って、どんなビジネスを始めるのか…想像力が試されますね。仕上がった大きなプリントに、しばし思考を巡らせたのでした。