第43回「静かなる みかん戦争」(板紙段ボール新聞H30年2月7日付)掲載より

よく一般紙の記者さんはネタ集めに警察に押し掛けたり、動物園に観察をというのが定番と聞いたことがありますが、ここのコラムニストは話題が見つからない時は町内の行きつけの八百屋さんを取材します。ここのお店は小さいながらも珍しいモノが入荷します。それはご主人の優れた目利きかもしれません。しかし、私の関心は専ら青果物より段ボールケース、ということで今回はみかん箱です。

日本の冬の風物詩は長いこと、“こたつにみかん”筆者も暮れになると八百屋さんから届くみかん箱が楽しみで、こたつに寝ころびマンガを読みながら何個もみかんを食べた思いであります。冬みかんは温州みかんと呼ばれ、原産は中国浙江省の温州のことですが、日本産が世界に広まったためか欧米でもMIKANで通じるところも多いとか。そんなことから、八百屋さんで売られるみかんも100%国産かと思ったら「オーストラリア蜜柑あるよ」とご主人。私に勧めようとしていましたが、関心はその箱、フレキソダイレクトの写真印刷で飛び跳ねるカンガルーが大写しされていました。ダブル段のC式ケース、つまり身蓋が重なる側面は4層になることからかなり丈夫で、空気穴も設けられ、箱を空けて見せて頂いたところ長旅を終えても変形した玉は見られませんでした。店頭ではみかんも選択肢が増え国際色豊かになったなあと現代社会を感じました。こうした市場環境の変化からか、昨今日本のみかん箱も茶ライナーより白ライナーで発色の良い印刷が増えた気がします。良かった、今月も入稿間に合った!あ、結局カンガルーみかん食べ損なってしまった。編集長にOK頂いたらゆっくり頂くことにしましょう。