第33回「フォークリフト事故ゼロ」(板紙段ボール新聞H29年4月7日付)掲載より

小回りで力持ち、読者の皆さんのところでも不可欠な存在、これは世界中どこの現場でも。しかし、産業を問わず依然多いフォークリフトの人身事故。平成24年度国内で1982人が事故に遭い34人の尊い命が失われました。(厚生労働省 労働災害統計より)事故を未然に防ぐヒントをオーストリアの段ボール工場で探してみました。

音楽の都ウィーンで訪ねたこの独立系一貫メーカーではハイエンドなフレキソプロセス印刷機で、高付加価値外装段ケースを生産しています。当然ながら多種多様な製品を仕上げるためにフォークリフトも小まめに動き回ることになります。この現場での工夫はフォークリフト後部に取り付けられたブルーのライト。下向きに光るので地面が青く照らされることでフォークリフトの接近を知らせます。これは仕事中の現場の方々の視線が低い位置にあることがわかり、上を向かずにフォークの接近に気づけるというアイディアで効果があると製造部長の弁でした。いっぽう、この春日本の現場に画期的なシステムが登場します。これはフォークリフトのそばに人がいると赤いフラッシュライトと音声で注意を喚起するもので、誤ってフォークの走行路に侵入した人への注意喚起、見通しの悪いところでの衝突を防ぐ効果があります。先行採用した物流倉庫ではこの点でヒヤリハットが無くなったと報告されています。併せて構内交通ルールの整備と遵守で事故ゼロの日は必ず実現します。新入社員が現場に仲間入りする今こそ準備したいアイテムです。