『安全第一』はどこの工場でも目にするおなじみのモットーですが、原語である『セーフティファースト』がUSスチール社で生まれて百年。その故郷、アメリカの段ボール工場を訪ねてみました。
職場は無事故でありたい、これは世界共通の願いです。
1900年代初頭、不景気のアメリカでは労働者たちは劣悪な環境の中で危険な業務に従事し、多くの労働災害に見舞われていたそうです。その頃は、「生産第一、品質第二、安全第三」の時代でした。そうした中、敬虔なクリスチャンであったUSスチール社の社長エルバート・ゲーリーは会社の経営方針を「安全第一、品質第二、生産第三」としたことで労災は減少、品質・生産も上向いた景気の波に乗ったそうです。
訪問したのはアメリカ東海岸の独立系段ボール工場P社。ここでもゼロ災害に様々な取り組みをしています。とりわけ、チーム力で無事故を達成しようとする姿は参考になります。具体的には、シフト交代の際にはメンバーが集まって、ちょうどフライトの乗組員たちが空港で搭乗前に行うようなブリーフィングで健康状態、注意事項、生産スケジュールの確認などを行います。製造ラインに着くと、チーム全員のネームプレートを機械横のボードにマグネットで貼り付けます。
ちょうど見学したときは、フレキソ8色機で4人のチームでしたが、安全に生産してこそプロと思わせる凛々しい姿でした。安全の要求基準は絶対ゼロ災害、良いところはどんどん取り入れたいものですね。