国内では1950年代、青果物で木箱から段ボールへ転換が始まり、物流における確固たる地位を築いてきました。ただ成熟した今日、A式ケースは価格競争から抜け出し収益性を増すことが出来ないのでしょうか?
訪ねたのは2001年創業(従業員80人ほど)の英国ボックスメーカー。新参組ですが、こだわったのは「印刷」で、最初に入れた機械は1色スクリーン印刷機。「他社が茶ライナの原紙のままで箱を作るなら、うちはカラフルな箱でいこう!」が当たりました。
当然ながら、一般の外装箱の注文はもらえないため、箱を売りに行く提案営業に。その結果、特長ある箱作りが奏功し美粧印刷機も投入したことでユーザーの「販促お手伝い産業」になったそうです。
現在は「外装箱=輸送+販促ツール」と捉えたボックスメーカーが増えており、多色印刷を施したいわゆるバリューボックスの比率が高くなっています。 欧州段ボール工業連盟(FEFCO)の報告では、1998年に全段ボール市場の3.3%だけだった美粧印刷が2011年には全体の20%を占めるまでになり、この分野は今後も成長分野とされています。
茶ライナの箱では店舗の倉庫に積まれるだけですが、 箱が美しいと店内に置くことで彩りを加えられ、印刷紙器 の小さな個装箱より大きい分、6面体のインパクトのある 広告媒体に。
これによって商品の差別化ができ売上増につながったという事例は数知れず。 「商品売上をアップさせる箱ならば、単価が高くても当然」、そんな自信に満ちた声が聞こえてきます。 消費がなかなか伸びない今こそ、思わず衝動買いしたくなる箱を作りたいものです。