第13回 EUへ行く農産物 (板紙段ボール新聞H27年8月7日付)掲載より

日米など12カ国が進める環太平洋連携協定 (TPP)交渉で、各国が妥結に向けて動きが加速 しています。TPPが発効すると外国米をはじめ海外 農産品が我々の日常生活に一層増えますが、 その逆、輸出にも期待がかかります。

  

自由貿易の協定が締結されると、農産物を輸出するためにどんな段ボールを用意 しなければいけないのでしょうか?実際に欧州連合(EU)との間で2011年にETAを 締結発効し、農産物の海外取引の点では日本より先行しているお隣韓国の段ボール を観察してみましょう。

法制化されてはいませんが、海外の市場に、そして消費者に受け入れられる段ボール 包装でなければなりません。長距離輸送を前提とするため腐敗防止のために通気性に 優れ、且つ沢山積み重ねができるよう高い積圧強度のオープントレイが使われます。

そして、使用されるユーロパレット1200×800ミリにうまく載せられるように計算された 底寸法である必要があります。底寸法を規格化させて中に入れられる作物の大きさに 合わせて高さを変えれば、異種のトレイも重ねられます。さらに、果実、野菜は流通で 人手に触れられることを衛生面と傷みの原因になることから好まない欧州では、トレイごと 店頭に並べられ、場合によってはそのまま持ち帰ることができるよう美しいフレキソ印刷が 施されています。これにより、農産物のブランディングが可能になり消費者に産地が刷り 込まれます。

韓国では輸出作物の生産に力を入れる国や地方自治体 指定の「生産団地」で国際規格に適した農産物が生産され、 そこではスペイン・BOIX社の農産トレイ技術が新たに活躍し ています。