第10回「“推測”から“計測”へ」 (板紙段ボール新聞H27年5月7日付)掲載より

好調な輸出に支えられるドイツも日本と同様にパッケージの一大生産国ですが、どちらも世界屈指の高生産コスト国だけに、いかに時間あたりの出来高を増やすかが重要です。

そんな印刷紙器工場の現場ではどんな最新ツールが使われているのでしょうか?

 

効率的な生産には、ダウンタイムの削減と生産速度の向上でアプローチすることになりますが、ダイカッターで打抜いたブランクスをグルアーで、またユーザーのカートニングマシンを高速かつトラブルなく通過できるための条件は「安定した罫線仕上り」である必要があります。

印刷紙器の打抜部門では『シトーテープ』(溝切テープ)を使うことで“必然的に”罫線仕上りは保障されていましたが、カウンタープレート(CAD面盤)を自前で用意するとなると、筋の仕上り品質を作業者が自身で確かめます。

従来はブランクスの折り曲げ強度を測って罫線の品質を判断してきましたが、ドイツでは新たな測定機器が使われるようになりました。

『シトーカウンターコントロール』は、とてもコンパクトな測定器で、ベーク板やステンレス板などに彫った溝の形状をデータ化します。パソコンにマウスのように接続して使用できます。

パソコン画面には、溝の形状が写し出され、溝深さ、溝巾、さらに溝底部の曲線R値や角度などが、大きな見やすい文字で表示されます。

この新しい測定器の登場で、製函部門のトラブル、ユーザーのクレームをさらに減少されることが期待されます。