発泡スチロールにアディオス!段ボールで鮮魚輸送
スペイン・ガリシア地方のMariscos A Ínsuaはコスタ・ダ・モルテとリア・デ・ムロスからの魚介類を販売する大手漁業会社だ。自然、海洋環境、フェアフィッシング(公正な漁業)を尊重する一環として、発泡スチロールケースからサステイナブルな紙ベースのパッケージへ切り替え、サステナビリティをさらに一歩前進させた。規制圧力も切り替えの理由だ。サーキュラーエコノミーの推進と汚染対策のために新しい規制措置が承認された。例えば使い捨てプラスチック製食品容器の使用を2026年までに50%、2030年までに70%削減しなければならない。プラスチック容器は海洋ゴミの70%を占め、分解されるまでに最大400年かかる。これらがMariscos A Ínsua に積極的な手段を講じるきっかけを作った。
DSスミスは鮮魚輸送のためのサステイナブルな段ボールパッケージを提案した。課題は発泡スチロール特有の用途を満たし、かつ循環可能なパッケージをデザインすることだった。
DSスミスにとって発泡スチロールケースの代替品開発は初めてのことではない。鮮魚を含む生鮮食品のプラス温度・マイナス温度輸送に必要な条件に合致するパッケージモデルはすでにある。Mariscos A ÍnsuaのパッケージはDSスミス・フィンランドが開発したモデルをベースにしている。パッケージデザイナーたちは連携し、その強力なネットワークによって数か月という短時間で先駆的、創造的かつ効率的なソリューションを生み出した。新パッケージがもたらしたメリットは何か。
●物流コストの削減:発泡スチロールケースの積載数は1パレット35個と比べ、畳まれた段ボールは同じ容量で410枚積むことができる。
●ブランドイメージの強化:段ボールは全面に印刷することも可能だ。それは内容物を特定や商品の生産・流通過程の追跡をも可能にする。
●開封がしやすい。処分もリサイクル分別ボックスへ投入で簡単だ。
●サステナビリティの目標到達を支援:環境意識の高まりで、商品が完璧な状態で届くだけでは十分ではなくなった。消費者はサステイナブルな素材の使用など、付加価値を期待している。だからブランドだけでなく消費者も段ボールパッケージを選択するのだ。
(関連動画のURLは左記参照)
引用:DSスミスホームページ
“Mariscos A Ínsua has taken a step forward on sustainability in the fishing industry”
(Nov. 18, 2021)