DSスミス 循環型経済へスピードアップ
ヨーロッパの段ボール包装サービス大手・DSスミスは循環型経済の達成を加速させるため、5年間に及ぶ大規模な投資計画を発表した。プラスチックに置き替わる新素材や感染防止技術、製造時に廃棄部分が少ないデザインなど、循環型パッケージとサービスを提供していく。
段ボール大手・DSスミスは今後5年間で計1億1760万ユーロを研究開発と革新的なパッケージ、そして英国に新しい技術拠点を作ることに投資し、同社のサステナビリティ戦略を支えていくと発表しました。
2年以内に100%リサイクル可能なパッケージを提供し、2025年までにスーパーマーケットでの販売及びイーコマース(インターネット通販)で使用されている数十億個のプラスチック製品を紙ベースに置き換えることを明言しました。
投資内容は新素材の開発、パッケージ製造に最適な天然紙繊維の研究、バリア技術の拡大、デザインの最適化で廃棄削減、試作・テスト用新施設の立ち上げなどが挙げられています。
新素材の開発では、サンドイッチや調理済み食品包装で使用される、透明なプラスチック部分の置き換えとして、完全にリサイクル可能な半透明の紙素材の開発投資を強化します。パッケージ製造に最適な天然紙繊維の開発は、リサイクルされた紙・段ボールに含まれる様々な繊維の綿密な分析から始まります。その結果をもとに強度・弾力・リサイクル性が最適な紙繊維を作り出していきます。バリア技術の拡大として、ウイルス感染に抵抗性のあるコーティング技術(例:Touchguard;タッチガード)を強化します。ネット通販で心配な包装物の損傷を防ぐために、お届けまでパッケージに及ぶG力の衝撃を測定・分析し、防止対策とゴミの削減へ生かします。DSスミスの約700人のパッケージデザイナー全員が循環型パッケージデザインの研修を修了し、お客様へ自信をもって提供しています。“ユニット17”(UK)は飛躍的進歩を伴う技術的改革を目的として立ち上げられました。企業グループ内の50のイノベーションセンターと研究開発のパートナーの協力を得て次世代技術を急発展させます。
「多くの要素が我々の生活の変化をスピードアップしており、環境にどう配慮していくかは最優先なことです。DSスミスはこの変化をリードし、お客様に環境への負荷が少ないパッケージをお届けできるように前年よりも投資を増やしています。」(DSスミス最高経営責任者 Miles Roberts氏)
引用:Packaging Europe 2021年5月12日