ストリッピングとは
シートを打抜いた後、製品にはならない余分な箇所を取り除く工程を『ストリッピング』または『カストリ』と呼びます。人の手で行う場合もありますが、時間と手間のかかる作業となってしまいます。そのため、打抜機の後工程として機械的にストリッピングを取り入れる『インラインストリッピング』が生産性向上の鍵となります。これは主に、従来型の「上下ピン方式」とストリッピング型を使用する「ダイナミックストリッピング」の2つの方法に分けられます。
上下ピンストリッピング
上下のピンがカス部分を挟んで下方向に落とすことでストリッピングを行います。多くの打抜き機に採用されている方法です。廉価に使用できる一方で、ピンの取り付けに時間がかかる等前準備が大変なこともあり、機械停止時間が増えてしまうデメリットがあります。
カスが落ちない場合の解決
カスが上手く落ちない場合は、以下の解決法をおすすめいたします。
1.ピンの数を減らす
基本的に、1枚のカス当たり、下ピンは1本のみ必要です。
下ピンの数を減らすことで、カスの落下スペースができます。
2.下ピンの位置を変えます
下ピンは、カスの全面およびニックが位置する場所に配置することがおすすめです。
ダイナミックストリッピング
下ピンを使用せず、クラウンピンまたはつめ付きのプレートでカスを落とす方式のことで、あらかじめ用意したストリッピング型(上型・下型)を使用します。木型作成のコストはかかりますが、準備時間の大幅な短縮に加えて、下ピンを使用しないことから取り除いたカスが滞留しないというメリットもあります。
注意点
- ダイナミックストリッピングを使用する場合は、カスよりも雌型の穴は小さくしておく必要があります。
- 200g以下の紙を使用する場合、カスが落下せず、製品に滞留する可能性があります。
ストリッピング型に使用する資材
確実なカス落としを実現するためのストリッピング型用資材をご紹介します。
クラフトストリップ・キャッスルストリップ
クラフトストリップ、キャッスルストリップは、厚く・硬いカスを確実に落とすために使用するストリッピング(カストリ)下型用の部材です。耐久性も高く、ロングランの仕事にもお使い頂けます。