日本製紙連合会の2024年内需見通しが先頃発表され、我々のビジネスに直接関係する白板紙と段ボールのページに目を通しました。
白板紙は前年比0.6%減の165万㌧と2年連続マイナス予測、2000年度比では約8割の需要。後者段ボールは882万㌧で前年比で僅か0.2%増と勢いが見られません。現場の皆さまに伺っても〝仕事が少ない〟というお声通り、小社の経営にも反映しています。かつての輸出大国ニッポンも新興国にその座を奪われ、国内で完結する商品のパッケージやコンテナーとしての役割がメインになっています。2023年1月の日本の人口は1億2242万人余りで前年比で約80万人減り、14年連続で減少しました。減少数、減少率ともに最大となったほか、初めて全47都道府県で人口が減りました。
すなわち、仕事が減っているのは読者の皆さんの努力不足ではなく、需要が減り続けているから当然です。その中で、価格競争で無理をして疲弊するより、生産性を限りなく高めて箱の生産を早めに終えて時間創出、そこで紙の持つ柔軟性、加工性、軽さ、環境への優しさを見つめて現代社会の課題解決になる新製品を創造していきたいものです。
したがってキーワードは〝生産性向上〟〝新価値創造〟。日本のGDPが生産人口で2300万人少ないドイツに初めて追い抜かれたということは、見方を変えれば生産性向上の余地が多分にあると言えます。そして減ってしまった箱の需要を補うために板紙、段ボールで新しい価値を創造しましょう。是非、本紙でも生産平米以外の話題があちこちから現れることを新年度スタートにあたり楽しみにしています。筆者もそれを後押しする情報、技術をご提供できるよう頑張ります。