第84回「マイクロショートラン2」(板紙段ボール新聞R3年7月7日付)掲載より

前回に引き続き、筆者が注目するキーワード『マイクロショートラン』(極小ロット)の実践的な話について考えたいと思います。

  

〝デジタル印刷はフレキソ印刷の置き換え〟などの議論は、「無い」というのが筆者の持論です。なぜならば〝置き換え〟では板紙・段ボール市場が広がらない。価格は据え置きで、業界のステークホルダーにとってハッピーにはならないと考えるからです。

であるならば、今まで数が少なくてオリジナルパッケージをあきらめていた人々を取り込むこともそのひとつ…と考えました。

特に今、長期化する新型コロナ感染症で、飲食や観光、交通事業者および周辺産業が収入を失っており廃業、倒産がじわじわと増加しています。

そうかと言って新たなビジネスを立ち上げるには資本が無い…そのような時に店舗を持っているならば、とりあえずお店の前で何かを立ち売りするというのが最も手っとリ早いのでは?ツイッターやユーチューブといったメディアを用いて、今やコストをかけずに情報発信、集客ができる時代です。

その時に必要な数だけのパッケージを用意し、リスクを最小限にしてマーケットイン。生き残り策として即効性があるソリューションの一つと考えます。

そのようなわけで、有功社シトー貿易では定款変更までして食品販売に挑戦することになりました=写真=。これは、いうなれば〝いい箱を作ればモノは売れる〟ことを弊社自らが実証試験するためです。