第112回 『人口減社会での箱作り』(板紙段ボール新聞R5年11月7日付)  掲載より

新型コロナウイルス感染症が国内経済に与える影響はあまりにも大きかったですが4年ぶりに戻った日常生活、人流や物流。
しかし、露呈したのは日本の構造的社会問題、「人手不足」でした。

コロナ禍に自粛営業を強いられた飲食や宿泊業からは従業員が離れ、訪日観光客が押し寄せた今、人手が足らずフル操業が出来ないという話を数多聞きますが、人員削減をしなかった交通機関もこの秋ダイヤ改正と称して、乗客がありながら運転間隔を拡げ本数を減らす鉄道、バス会社が数多く見られます。

理由は深刻な運転士不足と「2024年問題」に対応するためというもの。これは今始まった問題ではなく、コロナで人流が減ったため気付かなかったのでした。
1995年以降生産年齢人口が減少の一途で2022年5月時点で約7420万人(総人口のおよそ60%)。わずか7年後の30年には約6773万人とみるみるうちに減少していきます。

紙器・段ボール業界も採用難が続いていますが日本の人口減少から、好転することは無い…と断言できると思います。
旅客があってもバスが来ない、注文があっても箱を作れないという状況が常態化するのでしょう…。

業界の課題解決に取り組む有功社シトー貿易では、「労働人口が減っても生産活動を維持できる生産性向上」のために本格的にお手伝いをしたいと決意を固めました。

大型投資をすることで無人生産も近い将来は実現すると思いますが、現有設備の中で、あるいはその周辺で取り組める提案を行っていきたいと思います。

※写真は秋の観光シーズンながら坊ちゃん列車の運転を取りやめた伊予鉄道