第70回「新型コロナとパッケージ」(板紙段ボール新聞R2年5月7日付)掲載より

本コラムは現場から、ありのままをお伝えするもので、ネット検索はご法度としていましたが「外出自粛」、人との接触を避けざるを得ません。本紙が発刊される5月には状態が改善されていることを念じています。

  

今月は自宅で禁じ手、ネット上から新型コロナ感染症の大流行がパッケージ産業にどんな影響を与えているか情報を収集しました。

まず、我々の身近なところでは業界国際見本市DRUPAとInterpackが延期になりました。3月に中国の工場閉鎖から供給不足、欠品が発生、多くの企業が脱中国依存を試みるようになり、これについて英国の製造とサプライチェーンコンサルタントであるティム・ローレンス氏は「物資調達を低価格のみで行うのを改め、サプライチェーン全体から見た価値やリスクを把握、理解が重要」と述べています。今後は我々包装産業にも変化が表れてくると考えます。

また世界的な脱プラスチックがトレンドになっていますが、ここにきて急ブレーキがかかりました。サステナビリティの点でできるだけ使い捨てパッケージを排除されてきましたが、コロナ感染不安から「包装されていない」イコール「安全性の不安」を消費者に目覚めさせ、目下のところ消費者のパッケージに対する意識は環境より、「健康ファースト」、「保護ファースト」と衛生第一へと変わったと言えるでしょう。

例えば、パリの街ではフランスパンはむき出しでカゴの中で、街角で売られているのが伝統でしたが、今はしっかり包装されているとのことです。予期せぬ事態が発生した2020年、私も番狂わせで手も足も出ませんが「コロナのピンチをチャンスへ」の心構えでこのコラム閉店しないよう頑張ります。

出典:Packaging Gateway 2020年3月17、20日より