ムラトリ(ムラ取り)とは
打抜機のバランスまたは抜型の切刃の高さやバランスが崩れている場合、切刃の摩滅や摩耗を招き、ビビりや紙粉が発生してしまいます。
その際、打抜機や切刃の高さのバランスを調整する作業が必要になります。
ムラトリ作業の方法
1. 抜型の切刃高さのバランス調整
シートの切れていない部分(切れムラ)が発生する場合、チェースの底板に敷いた高低紙にムラトリテープを貼ることによって打抜のムラを補正します。(抜型の裏に直接スチール製ムラ取りテープを使うこともある)
バランス刃とは ~ムラトリ時間の削減に~
通常、抜型にて切刃の設置範囲が打抜機の最大打抜長さより短い場合は、抜圧が抜型に均等にかかりません。
その結果、特に抜型のくわえ側領域において、通常以上のムラ取り時間を要します。この時間が長く続くと下部プラテンの傾きを招き、面盤の平行平面性が失われてしまいます。
しかし、バランス刃を入れることによって次の効果があります。
・ムラ取り時間が短くなります。
・面盤が抜型に均等に当たる→刃の寿命が長くなります。
・プラテン部のダメージ軽減→機械の寿命が長くなります。
2. 打抜機のバランス調整
打抜機本体でのムラトリテープによるバランス調整では、面付けが多いほど時間と手間がかかります。
ムラ取り作業の80%は、打抜機の抜圧バランスの悪さが原因であると言われています。このバランスを補正する場合は、「プレバランスシート」という商品をおすすめします。
どのようなムラ取り資材を選べばよいか
ムラトリ用高低紙
高品質でしっかりした紙質を持ち、耐湿性があり厚さの誤差が少なく、寸法安定性の優れた紙を使用。(厚さ:0.1mm、厚み公差は±0.01mm以下)
一般のクラフト紙は厚さのバラつきが大きく、湿度に対して敏感なため、湿度変化で寸法がかなり変化します。
ムラトリテープ
高低紙同様、厚さの誤差が少なく、寸法安定性の高いものを使用します。
セロハンテープなどは材質が柔らかすぎ、テープと糊の厚さには大きなばらつきがあります。その結果、短期間でムラトリの機能を果たさなくなってしまいます。
ムラ取りの注意点
必要な長さ以上貼らない。
重ねたり、交差したりしない。
ムラトリテープを貼る際、重ねたり、交差したり、決まったところ以外に貼ってしまうと、別の切れムラが発生する恐れがあります。
そのため上記画像をご参照いただき、正確にテープを貼ってください。
ムラトリのおすすめ資材
システムテープ 0.02mm
世界初の0.02mm厚!ムラトリテープ
高低紙(高低台紙)上で使用するムラトリテープです。厚み精度が高く完璧なムラトリができ、リピートの打抜時に貼り直しが不要で経済的です。粘着剤付のため濡らす必要がありません。
シトー高低紙
システムテープ
ムラトリのために特別に開発された、世界初の高精度仕上げテープ
ムラトリのために特別に開発された、世界初の高精度仕上げテープです。いままでのムラトリテープの不満を全て解決。とにかく使って素晴らしさをお確かめ下さい。リピートの打抜時に貼り直し不要で経済的。厚みにより色分けするなど、使い勝手も抜群です。
スチールテープ
木型に直接貼ることができる耐久性抜群の金属製ムラトリテープ
金属製のムラトリテープで、木型に直接貼ることができる耐久性を持っており、様々な高低に対応できる種類の厚みを取り揃えています。カットは金属用のはさみをご使用ください。(フィットテープは折ることで切断可能です)
プレバランスシート
平板打抜機の圧力バランスを改善
今までの切れない切れ刃にテープを貼るというムラトリ方法とは異なり、打抜機のプレス部に生じたバランスを調整するユニークな技術で、ムラトリ時間の大幅な削減効果を実現する製品です。